『蘇るスターリングラード』 事前方針 |
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『蘇るスターリングラード』 その1
『蘇るスターリングラード』 その2
『蘇るスターリングラード』 その3
『蘇るスターリングラード』 観光案内
なお、ASLについては、以下を参照にしてください。
『スコード・リーダー事始め』
『親衛赤軍の反撃 プレイ例』
SL(スコード・リーダー)についてなのですが、ASLはその発展形のため雰囲気は伝わります。
シナリオは、FB(FESTUNG BUDAPEST:ブタベスト市街戦のヒストリカルモジュール)から、FB17『STALINGRAD REDUX(蘇るスターリングラード)』とした。
その理由は、翌週にYSGAでFBのシナリオを対戦予定であり、独自のモジュール・ルールが多いため、少しは慣れておかないと、との意見から。
簡単に歴史的な背景を簡単に書いておくとする。
時は第二次世界大戦の終盤。
ソ連軍の急速な前進により、ドイツ軍の戦線は切り裂かれ、その一部は包囲に陥ることとなった。その最大規模のものが、ブダペスト包囲戦であり、ドイツ軍とハンガリー軍は重囲に陥りながらも長期にわたり抵抗を行い。
ドイツ軍による救出作戦も決行されたものの、ブダペストまで5㎞付近で停滞。
絶望的な状況の中、ブダペスト市内では激烈な戦いが繰り広げられいた。
このシナリオは1945年2月9日に、ブダペスト市内の戦闘をシミュレーションしている。
包囲は2か月目になり、この頃にはドイツ軍の諸部隊は弾薬や食糧、それに燃料の不足が深刻になっており。ハンガリー軍は部隊を離脱し、その一部はソ連軍に加わっていた。
これら状況を再現するために、諸々の制限が課せられている。
弾薬不足の影響により、機関銃は故障しやすく、MMC(歩兵カウンター)すら射撃での出目が悪いと、質が低下しまう。
食糧不足により、ドイツの歩兵は急速歩移動を行えず、混乱状態の士気が1つ下がる。
燃料不足は、盤上の車両が移動する際に「ガス欠判定」を行い、下手をすると移動不能になっていまう。
戦闘に参加した戦力は以下。
もう一つ、このシナリオで面白いところは、増援を買えること。
ドイツ軍は、IV号H型や対空砲を積んだハノマーク。ソ連軍はT34/85やFT(火炎放射器)、それにOBA(盤外砲撃)も買える。
陣営は私・yagiがドイツ軍、ザハさんがソ連軍を担当した。
セットアップと退却計画
よくよくマップを確認すると、そのX地点が最適。最もソ連軍から遠いため。
ドイツ軍としては、X地点(の建物)に増援で買える3個分隊を送り、X地点の3階に隠蔽状態で1個分隊を篭らせる。
最終防御拠点には、増援での3個分隊がいるため、他の戦力は前よりの配置でいい(ハズ)。
赤のラインからソ連軍は登場する。①~③がソ連軍の進撃予測。
各々、1ターンから2ターンかかるとすれば、時間が足りなくなる。
この勝利条件とマップ、両軍の戦力を勘案すると、ドイツ軍の方が有利と思われた。
ROARでも、12:4とサンプルとして数字が少ないものの、ドイツ軍が有利であり。
シナリオカードに記載されているバランスを採用した(ちなみに、ソ連軍のMMGをHMGにする)。
この配置の特徴の一つに、パンテルの前掛かりがある(A)。
ソ連軍がこの周辺を通るなら、パンテルの通行税を払ってもらう。
その正面には対人地雷が置かれ、側面の8-1+LMGスタックにより支援される。
というのは、戦車がこのように建物に前進配置されていると、歩兵が寄って来る危険が高い。
ソ連軍にはFT(火炎放射器)もあるため、それを阻む。残るMMGとLMGは左翼に配し、ソ連軍の延翼を阻む。
それに瓦礫の出来具合により、意外な地点にLOSが通り、それらを制圧も目論む。
その左翼のケツ持ちとして、AAA5に対戦車砲(以降、75mmAT)。
1ターンには、IV号H型とSPW251/21(以降、対空ハノマーク)を増援で買い、
左翼にIV号型、右翼へ対空ハノマークを送り、前衛から下がる部隊の掩護を行う。
ダミースタックは後ろの方で、前衛強化の目くらまし、と、ジリジリ前進して本物のと入れ替え。
あとは、狙撃兵除けかな。あまり期待してないが。
鉄条網は結構悩んだ。下手に置いたら退却の邪魔になるし、中途半端では迂回されるだけ。
それなら、中央における1ターンの前進を遅らせるだけを目的とした。
前衛で戦う1個分隊と指揮官の1人でも最終防御建物まで撤収できれば、勝ち目は大きい。
道路障害はこの位置しかないと思うよ。見てわかんない?
そのような考えだったのだが、その計画は大い狂わされることとなる。
(続)
すばらしい対戦記録記事をありがとうございます。
わたくしから、対戦相手として、若干の補足と、「丘の向こう側からの眺め」を。
・補足
鉄条網と道路障害と地雷原は、通常、隠匿配置(コマを置かずに、置いてある場所をメモっておき、敵が見える位置に到達したら置く)できます。
このシナリオでは前者2つはソ連軍の航空偵察により、後者は舗装道路に置いているため、隠匿配置されていません。
なので、盤面の写真で、最初から見えています。
・対戦相手の対戦開始前の視点
配置を拝見して、私は、ドイツ軍左翼の守りが薄いなと感じていました。
隠匿配置された対戦車砲はこの左翼を指向していると、私は確信していました。パンター戦車がドイツ軍右翼に位置しているので、対戦車火器を一翼のみに指向することはないと考えたからです(これは後の呟きに繋がるのです)。
画像を拝見する限り、一番左側の区画をソ連軍の接近経路として想定していなかったため左翼が薄かったのでしょうか。
それでも、IV号戦車と対空ハーフトラックが補強に来たので、ドイツ軍を驚かせたのは1ターンでしたね。
左翼を強化すると、前線が弱体になります。
そこで、IV号H型を最初に増援で登場させ、そちらにソ連軍が寄せて来てもこれで防げる、と考えていました。
まあ、1ターンにあそこまで進出されるとは思っていませんでした。
事前にマップを眺めて、T34がドイツ軍の左翼へ展開するのは、迂回を多用するため、2ターンかかります。
ですから、IV号H型があの位置にあれば、ソ連軍の前進は難しい。
それを打破するためには、OBAなのかな、とも。
読み違いのもう一つは、瓦礫の生成で。
MMGスタックは事前の考えでは、正面より左翼の延翼を防ぐべく撃つつもりでいました。
それが正面の建物が崩れたため、下心が出てしまいました。イカンです。
対空ハノマークも瓦礫と破片により、展開する位置が変更され。
悩みながらも、あの位置へとしました。
最後に、対戦車砲なのですが、左翼にあるのは読まれてしまう、と諦めていました。
それよりも、効果的な位置であることを優先しました。
意表をついた位置に拘ると、効果的でなくなる可能性は十分にありますから。
過去の経験ですが。