▼セットアップ終了時

陣営は当日にDRし、私が攻撃側のソ連軍(南側:手前側)、ザ ハさんが防御側のドイツ軍(北側:向こう側)と決まりました。
ザ ハさんのセットアップは、私にとってかなり予想外のものでした。
前衛防御に比重を傾けており、私はもっと…。目一杯下がった配置を考えていたからです。
というのは、
ASL Scenario ARCHIVEの対戦のコメントで「ドイツ軍は下がらなきゃいけない」とか「HSのピケットラインを使ったけど、もうやらない」と見かけたのです。

そこで上図のような布陣と考えました。
点線がMG(機関銃)の撃つ予想。配置の際に、?カウンターを置いて、どこへ撃つか予想したのでした。
▼初手の躓き

ソ連軍の初手は、KV戦車によるVBMフリーズ。
一気に走って言って、ドイツ軍のスタックへ迂回。ここでちょうど12MPだったんですね。ダミースタックとの読みは大きくハズレ。ここには8-1+LMG4-6-7がいたのでした。このスタックが対戦車白兵戦をしかけてきて、KVがいきなり撃破されてしまいます。
ここからソ連軍の歯車は大きく狂うことになります。
▼ソ連軍:1ターンの移動フェイズ終了時

最初の躓きから、なかなかモメンタムが取り戻せません。
ドイツ軍の遠距離からの射撃で、ソ連軍の前進は阻まれています。この時点でくぼ地(色が深くなっているところ)へ、3個分隊は送れる、だろうと思っていたのです。しかし、成功したのは1個分隊だけ。
これだけでは、次へのステップボードにはなりません。しかも、ソ連歩兵が損害を少なからず出しています。
▼2両目のKV重戦車が喰われる

さらに、白兵戦フェイズにおいて、ドイツ軍のHS(半個分隊)に2両目のKV重戦車が撃破され。ここもダミースタックと思い込んだ地点でした。
▼ソ連軍:1ターン終了時

ソ連軍の不運は続き、KV2の主砲が故障。
ドイツ軍の前衛であった2-3-7も、白兵戦に捕らえたものの、離脱で逃げられてしまう。歩兵の損害も1個分隊(相当)が除去、4個分隊が混乱、と。盤上には、ドイツ軍の方が多くなっています。
この時点で、勝つのはかなり難しい、と思っていました。始まったばかりですが。
▼塹壕を掘り堀り

ドイツ軍はKV戦車を撃破した8-1+LMG4-6-7に塹壕を掘らせます。
確率的には、46%でしたので、決して高くなかったものの、一回で掘るのに成功。これは対戦前から決めていたそうです。
▼ドイツ軍:1ターン終了時

ドイツ軍は全く崩れていません。
主戦線である奥の森は仕方がないものの、前衛のHS(半個分隊)すら戦列を維持できています。
ソ連軍の射撃が全く当たらなかったのでした。
▼ソ連軍:2ターンの移動フェイズ終了時
ソ連軍は一旦態勢を整えるべく、前進速度を落とします。
そして手前の森を確保すべく、組み立てました。
まずは、前ターンに砲撃できるようになった迫撃砲を撃ち始め…たのですが、命中弾がありません。9-1+MMG4-4-7も同じヘクスへ射撃しますが、これも効果なし。
唯一戦果があったのは、左翼のLMG4-4-7が2個スタックしての射撃。
これで平地で頑張っていた2-3-8が混乱。
このまま撃ち合うのは愚策だと、前衛の2-3-7へと寄せていきます。すると、この2-3-7の射撃が当たり、1個分隊が混乱。
それの回復を担うべく、コミッサールが走っていけば、1火力の残留火力でKIA。これは厳しい。
▼ソ連軍:2ターン終了時

再度、前衛の2-3-7へ白兵戦をしかけたものの、6ゾロを振って逃げられてしまう何やってんだか。それでも前衛の森へ進入。
▼ドイツ軍:2ターン終了時

前衛のドイツ軍は動くのは危険であると、撃ち合いを選択。
ソ連軍の9-1+MMG4-4-7を混乱させ、撃退する。他にも前衛の森へ取り付かれてソ連軍を撃退。2-3-7が同地を回復。ソ連軍の射撃は全く当たらない。
▼ソ連軍:3ターン移動フェイズ時

このターンにドイツ戦車が登場し、さらに厳しい戦いを強いられる覚悟をしていたソ連軍に朗報。
KV2の主砲が終了に成功。
この主砲や迫撃砲が当たり、ドイツ軍の前衛に崩れが見えてきた。
▼ソ連軍:3ターン終了時
ソ連軍は再度、前衛の森へ進出。
この周辺に生き残った部隊をかき集める。集まった戦力はちょうど6個分隊で人海戦術が可能な兵力だった。
▼ドイツ軍の3ターン途中

ドイツ軍はムリをせず、登場した戦車をソ連戦車から見えない地点で止める。そこから撃った4火力+2DRMが当たり、LMG4-4-7の2個が混乱。
これをみたドイツ軍担当者であるザ ハさんから…
「このようなことをいうのは心苦しいのですが、この時点でソ連軍には勝ち目はないのでは?」との申し出があり。
冷静になってみると、逆転は不可能な情勢。こちらも投了の同意して、ゲームは終了しました。
敗因は、私の読み間違いがあり。
初手で躓いたのだから、一旦冷静になって慎重になれば良かったんです。
それにソ連軍の不運とドイツ軍の幸運が重なり、どうしようもなくなってしまいました。
それなりに研究してきのに、全くいいところがありませんでした。悔しいやら情けないやら、残念で仕方ありません。
しかし、それもASL。敗北を抱きしめて、次へと繋げましょう。
【シナリオ評価】
さて、話は変わり。
ASLのシナリオを対戦したら、その評価を残していくことにしました。
以下のような形で評価していく、その理由も書いておくようにします。
★★★★★ 素晴らしい。何度も挑戦したい。
★★★★ 良い。一度だけでなく、何度か再戦したい。
★★★ 普通。対戦できる。相手が望んだり、時間の都合で再戦もあり。
★★ バランス等に難があり、対戦は勧められない。
★ シナリオに欠陥があり対戦に耐えない。
こうすることで、後に続く方々だけでなく、自分自身にも財産になるのではないか、と。
なお、これらの評価について(★数やコメントなど)は、主にザ ハさんの意見を参考にしています。
AP93『BEST THINK AGAIN』の評価は★★★★です。
理由:攻撃側だけでなく、防御側も何通りもの戦い方を選択できます。
両軍に戦車が出て来て、それもほど良い数であり、これらの個性が強く出ています。さらに、ソ連軍が攻撃した後を追って、ドイツ軍の戦車が入ってくるなど、大変珍しい状況です。
何より、ソ連軍はあるラインまで前進しなければならなく。
ドイツ軍はそれに対して下がる、いわゆる「追い越しシナリオ」です。
この追い越しシナリオは、ASL1『ファイティング・ウィズドロウ』や『アバンドンシップ』など、数的には少ないものの、興味深く仕上がっています。
ちなみに、ドイツ軍が下がらない選択もあるのですが、それはリスクが高く。1つ間違えると、お手上げになりかねませんから、リスクを減らすため、抵抗しながら下がることになります。
この下がるタイミングを見極めるのが難しく、面白い。
さて、★を1つ減らしている理由も説明しておきます。
ソ連軍から見て、マップの左側が攻撃経路として使えないからです。
ここは平地が広がっていて、これを越えるのはリスクが高過ぎます。
せめて、手前に森が2~3ヘクスあって、そこに隠れられれば、もっと攻める選択肢が増え。もっと良いシナリオになったでしょう。
以前に対戦した「新規シナリオ」で含まれていたASL163『STOPPED COLD』の評価もしておきます。
★★★です。
多数の未熟なソ連軍と、少数の精鋭なフィンランド軍の戦い。
両軍の違いが大きく出ています。ソ連軍だけ戦車が出てきますが、その戦車達も個性が強く。大戦初期のヘンテコ戦車なので、それを使うのも楽しい。初期の戦車は、対戦車兵器や爆薬、突撃工兵がなくとも、機関銃で撃破できるんですよね。
そのハラハラ感が良いんです。
しかし、★★減らされている理由もあります。
攻撃経路がもっと少ないんですよね。マップの半分が凍った河なので、そこには戦車が入れず。戦車の支援を考えると、残り半分で何とかしなきゃならない。
せっかく面白いシナリオなのに、戦略的な選択肢が少なすぎるのは勿体ないかな、と。
このAP93『BEST THINK AGAIN』の対戦が早めに終わったので、もう一戦しました。
こちらもアップします。